5/21 建設会社の購入した木材の検査に建築委員7名の皆様と行ってきました。
行った場所は江南のいちい木材の倉庫。ここに蓮照寺新本堂に使う材木がすべて保管されています。建設会社からは4名、設計士2名で対応して頂きました。
新本堂の柱に使われる桧(ヒノキ)の角材です。国産で吉野または東濃のヒノキを指定してあります。太さ八寸で、今の本堂と比べると太くなることを実感しました。「設計書では小節ありの等級の指定でしたが、実際は無節のきれいな材木を取りそろえて頂きました」と設計士さん。確かに節がほとんどありません。私が去年の設計段階で目立たない柱には節は別にあってもいい(コスト削減の為)と強調してそういう仕様にしてもらったのですが、結果的にラッキーでした。
ちなみに含水率も15~20%で全て基準の25%以下をクリアしていて、写真は設計士さんが手で触って乾燥具合を実感して下さいと言っています。ヒノキは乾燥性がよく狂いが少ないのですが、光沢と薫りが印象的な木です。
↑本堂の内陣(=中心部)の柱となる欅(ケヤキ)の丸柱。もちろん国産で北陸産とのこと。伐採してから何十年も乾燥させてあるものしか市場では売れないそうです。八角形に加工されていましたが、これをこれから完全に丸く加工します。本当は4本あるのですが、設計士さんがプレチェックで1本は白太があるということでNGではじいたそうです。しかし、ケヤキの木目の美しさは芸術的で独特です。
↑ 小屋裏の梁に使う材木です。表面をさらに加工するそうです。大変太いです。この部分は天井板を張った完成後は全く見えなくなる部分なのですが、こういうところが大切なのですね。
今回の木材検査の主旨は、設計士が建設会社に示した設計書の仕様通りに正しく材木が購入されているかを1本1本チェックし、仕様に不適合のものは指摘して取り替えてもらうものです。既に設計士さんで事前にプレ検査済みで、今日はその報告もしてもらいながら現地で現物をみるための検査でした。
検査といっても我々お寺側のメンバは木材や建築の専門家ではないので、やはり最後は選んだ建設会社を信用し、そしてそれを二重チェック機構の存在としての設計士さんに頼るしかありません。今日も最後に設計士と建築会社の現場監督が「私どもが責任を持って指摘があって取り替えた分も含めチェックしておきます」と言って頂けました。
今日木材を見て専門家に説明を受けて実感したのは、やはり木は自然の生き物なんだということ。木は伐採で切ったあともなんと200年から300年は強度が徐々に強くなるらしく、最初は強くても作ったときから劣化していく鉄やコンクリートとは全く異なる。現代の数量的に証明・計算できるものがすべてという世界とは違う神秘なものを木材には感じる。木造建築の魅力や宮大工の伝統技術を絶やさずに後世に伝えていくために今回の木造建築としての再建事業を行っているんだという目的意識がさらに芽生えた材木検査でした。